バイオテック奮闘記

アメリカのバイオテック会社での経験や、アカデミックから製薬業界への転職に役立つ情報を紹介します。

最初のミーティング

新しい研究室の設備は古い。それにあまり整理されていなくて雑然としている。製薬会社という単語から想像する整然としたイメージとはえらくかけ離れた印象だ。ただ、あまり設備にお金をかけるバイオテック会社は真っ先に潰れるとも聞いたことがあるので、経営的には間違っていないのだろう。

仕事は今のところは前臨床試験の仕事が中心で、マウスを多く扱う。薬を使うという部分が異なるが、作業自体はアカデミックとあまり変わらない。それどころか、前の職場よりも設備が古いので多少懐かしい気さえする。

今日は最初の全体ミーティングがあった。治験での被験者確保の駆け引き、薬の製造やフォーミュレーションに関すること、PK(薬物動態)、特許などが議題にのぼった。どれもアカデミックではあまり耳にしない情報ばかりで、新鮮で大変勉強になった。そのうち発言する機会も出てくるだろう。武者震いする。

ミーティング中改めて感じたことだが、会社のCEOは非常に頭の回転が速く、アイディアも多く、リーダーシップを取ってディスカッションを進め、適宜に人を褒める。聞き手を常に意識しているようで、理解が難しそうなところは聞き手が付いてきているか確認し、追加の解説をしてくれたりする。率直に尊敬できるし、このCEOの下なら安心して仕事に励める気がする。